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演目一覧

熊野
熊野1

遠近国(静岡県)池田の宿の長の熊野は、平宗盛の寵愛を受け、都に長く留まっていた。

ある時侍女の朝顔が、故郷に残している熊野の母からの手紙を携えて、都の熊野のもとを訪ねてくる。その手紙には、母が病気になり熊野の帰郷を待っている由が書かれてあった。熊野も母の事が心配になり宗盛の邸に行き、その手紙を見せて読み上げ帰国を請うが、宗盛はそれを許さない。

熊野2

その上熊野の心を晴らそうと、花見に同行する様命じ、牛車で一緒に清水寺へと向かう。華やかな都の景色とはうらはらに、熊野の心は母が気がかりで晴れないままだ。

やがて清水寺に着き、観世音に母の無事を祈る。花の下の酒宴が始まり、熊野は宗盛の勧めで、心ならずも舞を舞う。ところが舞の途中で俄に村雨が降り出し、花を散らしてしまう。熊野は舞をやめ、短冊に一首の歌をしたためる。

熊野3

『いかにせん 都の春も 惜しけれど、
 馴れし東の 花や散るらん』

その短冊を見た宗盛は、さすがに熊野を哀れと思い、故郷へ帰ることを許す。熊野はこれも観世音のお陰と喜び、宗盛の気持ちが変わらぬうちにと、故郷へ帰って行く。

熊野 見所
 
 
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